蔡依林(Jolin Tsai/ツァイ・イーリン) は、台湾を代表するトップ女性アーティストの一人です。
1999年のデビュー以来、20年以上にわたり台湾の音楽シーンをリードし続けており、今や“アジアの歌姫”と呼ばれるほどの存在に。
1980年生まれで、まさにベテランの域に達しながらも、常に第一線で活躍し、進化を続けています。
日本では、安室奈美恵さんとのコラボ曲やライブ共演によって、すでにご存知の方もいるかもしれませんね。
彼女の最大の魅力といえば、なんといってもキレのある圧巻のダンスパフォーマンス。
MVやライブ映像では、視線を釘付けにするようなダンスと世界観が存分に楽しめます。
今回は、そんな蔡依林の魅力が存分に詰まったおすすめ楽曲をいくつかご紹介していきたいと思います!
まずはぜひ、動画でその表現力を体感してみてください。
玫瑰少年
まずご紹介したいのは、以前のブログでも取り上げたことのある楽曲『玫瑰少年(バラの少年)』です。
この曲は、蔡依林と五月天の阿信による共作で、2000年に台湾で実際に起こった「葉永鋕事件(ようえいしじ事件)」を題材にしています。
LGBTや多様性をテーマに、”いつも君は君らしくいていいんだ”というメッセージが込められています。
ミュージックビデオでは、多様なバックグラウンドを持つダンサーたちが登場し、それぞれの個性を力強く表現しています。
この作品は、2019年の「金曲獎(Golden Melody Awards)」で楽曲賞を受賞し、大きな注目を集めました。
蔡依林はこの曲だけでなく、他にもLGBTに関するテーマを扱った作品を発表し続け、同性愛者をはじめとした多様な人々にエールを送り続けています。
台湾はアジアで初めて同性婚を合法化した国でもあります。
多様性を認め合う社会だからこそ、他人への思いやりが自然と育まれているのかもしれませんね。
腦公 Hubby
続いてご紹介するのは『腦公(Hubby)』という楽曲です。
タイトルの『腦公』は、日本語に訳すと「旦那様」や「ご主人様」といった意味合いになります。
日本でいうところの、女性が彼氏のことを「ダーリン」と甘えて呼ぶようなイメージでしょうか(もっとも、今どきそんな呼び方をしている人がいるかどうかはさておき)。
曲調はとにかく明るくてポップ、耳にスッと入ってくる聞きやすさがあります。
歌詞の内容もハッピーで元気が出るもので、聴いていると自然と笑顔になれるような楽曲です。
ミュージックビデオも歌詞の世界観に合わせて、「私の腦公はどこにいるの?」と乙女心全開な内容に仕上がっており、可愛らしくて微笑ましい雰囲気が楽しめます。
蔡依林のキュートな一面が垣間見える、ちょっとお茶目で面白い作品です。
第三人稱 The Third Person And I
次にご紹介するのは『第三人稱(The Third Person And I)』です。
蔡依林といえばリズミカルでダンサブルな楽曲が多いイメージがありますが、実はバラードも非常に秀逸です。
思い返してみると、台湾のアーティストにはバラードを得意とする人が多い印象があります。もしかすると、バラードを愛する国民性があるのかもしれませんね。
『第三人稱』のタイトルは「三人称」という意味。
歌詞はとても繊細で、直訳するには少し難しいニュアンスを含んでいます。
内容としては、自分と彼の関係を“第三者の視点の自分”が見つめている、というような情景が描かれています。
しっとりとしたバラードでありながら、ベースラインのアレンジが非常に印象的で、ただの静かな曲では終わらない奥行きがあります。
歌とベースが絡み合うようなアレンジになっていて、とてもクールです。
ぜひそのフレーズにも注目して聴いてみてください。
說愛你
最後にご紹介するのは、蔡依林の人気を決定づけた代表曲『說愛你(愛してるって言って)』です。
今回ご紹介する動画は、前回の記事で取り上げたG.E.M.鄧紫棋とのコラボバージョン。
台湾と香港、それぞれのトップ歌姫による共演は、観ているだけでワクワクしてしまいます。
『說愛你』はタイトル通り「愛してる」と気持ちを伝える乙女心を描いた楽曲で、歌詞の内容もとても可愛らしい印象です。
ポップで覚えやすいメロディーが魅力的で、リリース当時から大きな人気を集めました。
そしてこの曲、実は作曲を手がけているのが、中華圏で絶大な人気を誇るシンガーソングライター、周杰倫(Jay Chou)。
彼もまた、華流ポップスを語る上で絶対に外せない存在です。
周杰倫についても、また改めて特集を組んでじっくりご紹介したいと思っていますので、そちらもお楽しみに。
蔡依林の溢れんばかりの魅力
最初に「蔡依林の魅力はダンス」と書きましたが、G.E.M.鄧紫棋と同様に、彼女も本当にさまざまなジャンルの楽曲に挑戦していて、一言ではとても語りきれないアーティストだと改めて感じました。
今回の紹介を通して、少しでも彼女の音楽に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
また、『說愛你』の動画からも分かるように、台湾のアーティストは他の歌手とのコラボレーションもとても活発です。
そうした交流も含めて、華流音楽の世界には楽しみ方がたくさんあるなと実感します。
ぜひ、あなた自身の“推しアーティスト”を探してみてください。
きっと一人に絞るのは難しくなるはずですよ。
それでは、今回はこの辺で。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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