台湾グルメといえば夜市や台北の有名スポットが定番ですが、もっとディープで静かな場所を旅してみたいと思ったことはありませんか?
今回ご紹介するのは、台湾南西部・嘉義にある港町「布袋」と「東石」。どちらも海鮮グルメの宝庫でありながら、日本人観光客にはまだあまり知られていない穴場スポットです。
しかも、映画『一秒先の彼女』のロケ地としても知られ、あの印象的なシーンが撮影されたのもここ。潮風を感じながら、のんびりとしたローカル旅を楽しめるエリアなんです。
この記事では、アクセス方法から実際に訪れた観光地や食べたグルメまで、布袋&東石の魅力をたっぷりとお届けします!
嘉義についてはこちらのブログ記事をご参照ください。
↑布袋の実際の様子は動画をご覧ください。
アクセス

布袋へ行くために私の場合は新營駅からバスで向かいました。
台鉄・嘉義駅から新營駅までは各駅停車で約20分。新營駅を出たら、新營客運バス(棕6)を利用して布袋へ向かいましょう。
ただし注意したいのが、バスの本数が非常に少ないという点です。事前にしっかりと時刻表を確認しておく事が必須です。
私が訪れた日は昼便ですと以下の便が運行していました。
- 12:20 新營客運新營站発 → 13:15 布袋遊客中心着
- 13:40 新營客運新營站発→ 14:35 布袋遊客中心着
この2本のどちらかに乗れば、到着後に布袋観光も十分に可能です。バスは1時間近くかかるため、時間には余裕を持って行動しましょう。
時刻表などの詳細は公式サイトで確認できます:
👉 新營客運公式サイト(棕6路線)
布袋観光
まずは嘉義県の港町・布袋(ブーダイ)の観光地をご紹介します。
布袋は台湾南西部、人気観光地である嘉義県に位置しており、海沿いならではの絶景や新鮮な海鮮グルメを楽しめるローカルスポットです。
ちなみに布袋を観光するにはレンタルサイクルがオススメ。必ずあるとは限りませんが、宿泊するホテルのオーナーさんに自転車を借りれないか聞いてみましょう。
高跟鞋教堂

高跟鞋教堂(High‑Heel Wedding Church)は、嘉義県布袋鎮の布袋海景公園内にある、高さ約17 m×幅11 mの巨大な青いガラスのハイヒール形建築です。320枚以上のガラスパネルと1,269本の鉄骨で構成されており、世界最大のハイヒール型建築物としてギネス認定済み。
これは単なる建築物ではなく、かつてこの地で多くの女性が「黒足病」(ブラックフット病)によって自由に歩けなくなった歴史に基づく象徴的なモニュメントです。新たな幸福と未来への希望を祈念する意味が込められています 。
また教会と名付けられている通り、ウェディング撮影やセレモニーもできるロマンチックスポットでもあります。
布袋鹽山

次にご紹介するのは、布袋のもう一つの魅力、布袋塩山です。
かつて布袋は台湾有数の塩の産地として大変栄え、多くの塩がこの地で生産されていました。今では塩の生産量は減りましたが、塩山では昔ながらの塩の収穫作業を間近で見ることができます。
白く輝く塩の山は、まるで雪が積もったような幻想的な景色を作り出し、観光客に人気の撮影スポットとなっています。
また、塩山周辺には塩にまつわる歴史や文化を紹介する展示施設があり、当時の労働の様子や製塩の技術について学ぶこともできます。
お土産コーナーでは、地元産の塩を使った様々な商品が販売されていて、訪れた記念にぴったりです。
自然の中で歴史と文化を感じながら、ゆったりとした時間を過ごせるスポットとしておすすめです。
洲南鹽場

洲南鹽場は布袋の近くにある歴史ある塩田で、台湾でも有名な観光スポットの一つです。
ここでは昔ながらの伝統的な製塩方法を見ることができ、広大な塩田が広がる風景はとても美しく、写真撮影にも人気があります。
特に、太陽の光を浴びて輝く塩田の景色は、自然と人の営みが織りなす絶妙な調和を感じさせます。
また、洲南鹽場には塩の結晶を集めるための施設や、塩を保存するための「塩田銀行」と呼ばれるプールのような場所もあり、その独特な景観も見どころの一つです。
散策路も整備されており、ゆっくりと歩きながら歴史と自然を満喫できます。
布袋塩山と合わせて訪れることで、台湾の伝統的な製塩文化をより深く理解できるでしょう。
布袋湿地生態園区

布袋湿地生態園区は、布袋の自然豊かなエリアに位置する湿地帯で、多様な生態系が広がる貴重な自然保護区です。
ここでは、さまざまな水鳥や魚類、植物など、多彩な生き物たちが共存しており、バードウォッチングや自然観察に最適なスポットとなっています。
園内には遊歩道や観察デッキが整備されていて、訪れる人は静かな環境の中でゆったりと散策を楽しむことができます。
特に朝早くや夕暮れ時は多くの野鳥が活動する時間帯で、写真撮影をする愛好家にも人気です。
都市の喧騒を離れて、自然の息吹を感じられる癒しの場所として、地元の人々だけでなく観光客からも支持されています。
また電柱が海に浮かぶ光景は凄く幻想的なので、見逃さないようにしましょう。
東石観光
続いては、東石の観光スポットをご紹介します。
東石郷は嘉義県の北西部に位置し、台湾海峡に面した美しい沿海地域です。
東は六脚郷や朴子市と隣接し、北は雲林県の口湖郷や水林郷、南は布袋鎮と接しています。
西側は広大な台湾海峡が広がり、海の恵みが豊富な地域として知られています。
この地域は嘉義市や朴子市への通勤者も多く、生活と観光がほどよく融合した場所です。
東石では新鮮な海鮮グルメや自然豊かな風景を楽しめる観光スポットが点在しており、訪れる人を魅了しています。
私は布袋から東石まで自転車を利用しましたが、一時間半程の距離となります。運転には細心の注意をはらいましょう。
東石郵局嘉義49支局

東石郵局嘉義49支局は、地元の人にとっては日常的に利用される郵便局ですが、実は映画『一秒先の彼女』の重要なロケ地として知られています。
郵便局自体は普段は特に観光スポットとしては目立たない存在ですが、映画ファンや作品に興味がある方にとっては必見の場所です。
作品の中での印象的なシーンが撮影されたこの郵便局は、訪れる人に特別な感慨をもたらします。
もし『一秒先の彼女』のファンであれば、東石に訪れた際にぜひ立ち寄ってみてください。地元の生活風景と映画の世界観が交錯する、ユニークな体験ができるでしょう。
東石港先天宮

東石港先天宮(東石先天宮)は、台湾・嘉義県東石郷に位置する歴史ある廟(寺院)で、地元漁民の信仰の中心として知られています。
この廟は、康熙60年(1721年)に創建され、五府千歳(王爺)を主神として祀っています。また、保生大帝や紀府千歳など、さまざまな神々も祀られています。特に、五年に一度行われる「王船祭」は、東石港の最も重要な祭典であり、地元の人々にとって大切な行事です。
また、毎年元宵節には「猜燈謎(なぞなぞゲーム)」が3日間連続して行われ、豊富な賞品が用意され、地元の人々や観光客で賑わいます。
東石港先天宮は、地域の文化や信仰を深く知ることができる場所であり、訪れる価値のあるスポットです。
白水湖寿島

嘉義県東石郷の西端に位置する「白水湖壽島」は、近年SNSで話題になっている台湾南部の隠れた絶景スポットです。観光地としての整備はそれほど進んでいないものの、その“異世界感”に魅了されて訪れる人が増えています。
「湖」という名前がついていますが、実際には湖ではなく、海と干潟、そして地盤沈下によってできた特殊な地形です。元々この地域は塩田として栄え、のちに魚やエビの養殖地へと変化。しかし近年では地盤の沈下と海水の侵食により、かつて存在していた道路や養殖場、住宅などが次第に海に飲み込まれていきました。
現在では、満潮時にだけ現れる“海に沈む道”や、半ば海に沈んだような建物の残骸が独特の景観を作り出し、まるで時間が止まったような世界が広がっています。観光地というより、自然と人間の痕跡が交差する“風景の記憶”を辿るような場所です。
この白水湖壽島は、映画『一秒先の彼女』のロケ地にもなっており、特に映画ファンや写真好きの旅行者にとっては注目のスポットです。満ち潮の時間に合わせて訪れると、まるで水の中に浮かぶ道を歩いているかのような感覚を味わうことができます。
交通手段は頑張っていく他ありませんが、観光地として整備されているわけではないぶん、静かで非日常的な時間が流れており、旅慣れた人にこそおすすめしたい、台湾南部の“秘境”です。
訪れる時間帯によって白水湖壽島の雰囲気は大きく変わります。私自身は干潮のタイミングで訪れましたが、実際に歩いてみて「もう少し潮が満ちてきた頃のほうが雰囲気が出て、より幻想的な写真が撮れたかもしれない」と感じました。
潮の満ち引きによって「沈む道路」や「海に浮かぶ建物跡」の見え方が変わるので、写真を撮る目的の方は、潮が少しずつ満ち始める時間帯を狙うのがおすすめです。
潮位の情報は、台湾中央気象局の潮汐情報(公式サイト)で確認できます。出発前に最新の潮のタイミングをチェックして、ベストな景色を楽しんでください。
👉 潮汐情報はこちら(中央気象局)
グルメ情報
続いては布袋のグルメをご紹介。布袋は海に面した港町。そのためグルメもやはり海鮮がメインとなります。新鮮な魚介類を使った料理を楽しめるお店が点在しており、海鮮好きにはたまらないスポットです。
ここでは、実際に私が訪れたおすすめの2店舗をご紹介します。
布袋觀光漁市

布袋を訪れたら、ぜひ立ち寄りたいのが布袋觀光漁市(布袋観光魚市)です。
ここは地元の人々が通う海産物の市場で、新鮮な魚介類をその場で選んで購入できるだけでなく、飲食スペースも併設されていて、すぐに調理してもらうことも可能です。
市場には牡蠣、エビ、魚、イカ、貝類など、まさに“海の宝庫”とも言える食材が並びます。地元の漁師が水揚げしたばかりの海鮮を扱っているため、鮮度は抜群。観光地というよりは、本当に地元に根ざしたローカルな市場という雰囲気で、観光客よりも地元の人の姿が目立ちます。
私はここでお気に入りの店を見つけて、ぷりぷりの牡蠣をその場で焼いてもらい、熱々をほおばりました。屋台のような簡易なスタイルですが、それがまた旅気分を高めてくれます。
もし時間があれば、ぜひ市場の奥まで歩いてみてください。素朴で飾らない台湾の暮らしを感じられる場所でもあります。

1368烤鮮蚵吃到飽

布袋に来たらぜひ味わってほしいのが、新鮮な牡蠣料理。
その中でも人気のお店が「1368烤鮮蚵吃到飽」です。
店名に「吃到飽(食べ放題)」とありますが、実際には量り売り方式で、バケツ一杯の牡蠣が300元というシステム。
このバケツがかなりのボリュームで、2~3人でも十分に満足できる量があります。各テーブルには焼き台が設置されていて、自分たちで牡蠣を炭火で焼いて楽しめるのが魅力です。
さらに、サイドメニューとして炒飯(80元)などもあり、海鮮と一緒にガッツリ食べたい方にもおすすめ。地元の人にも愛される雰囲気で、観光客でも気軽に楽しめるローカル感たっぷりのお店です。
牡蠣好きなら、ぜひ立ち寄ってほしい布袋の名物スポットです!
※焼き台があるため、匂いがつくのが気になる方は服装にご注意を。
ホテル

布袋で観光を楽しんだあとは、ゆっくり休める宿も大切ですよね。
私が宿泊したのは「光影民宿」。一泊約3000円前後とリーズナブルながら、快適で安心して過ごせる宿です。
今回はドミトリールームに滞在しましたが、清潔感があり、一人旅にもぴったり。
特に印象的だったのは、オーナー夫妻のあたたかいおもてなし。奥さんは簡単な日本語も話せるので、言葉に不安がある方にもおすすめです。
状況にもよりますが、私が泊まった際には自転車を貸してもらうこともできました。周辺をのんびり散策するにはぴったりのサービスです。
観光の拠点としてはもちろん、地元の人との交流を楽しみたい方にもぴったりな宿です。
布袋&東石で台湾ローカル旅を満喫しよう
台北や台中のような有名観光地とは一味違い、嘉義の布袋と東石には、
海に囲まれた町ならではの絶景、グルメ、そして人の温かさがあります。
ハイヒール型の教会や幻想的な白水湖壽島、ローカル感たっぷりの魚市場や牡蠣グルメ、
さらには映画『一秒先の彼女』のロケ地まで、見どころがぎゅっと詰まったエリアです。
アクセスが少し不便な分、観光客も少なく、静かでディープな台湾旅を楽しめます。
いつもと違う場所に足を運んで、台湾の“素顔”を見てみませんか?
台湾ローカルの魅力を存分に感じられるこのエリア、ぜひ次の旅先に加えてみてください。
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