【台湾最大級の宗教行事】大甲媽祖巡礼とは?9日間300kmの旅に一日だけ参加したら想像以上にヤバかった

大甲媽祖巡礼
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台湾には一年を通して多くの祭りや宗教行事がありますが、
その中でも特に圧倒的な規模と歴史を誇るのが「大甲媽祖巡礼(大甲媽祖遶境進香)」です。

毎年春、台中の鎮瀾宮を出発し、約9日間かけて300キロ以上の道のりを歩くこの巡礼は、
100万人以上の信者や見物客が参加すると言われ、台湾最大級の宗教行事として国内外から注目されています。

今回、筆者はこの壮大な旅のうち、一日だけ参加してみました。

実際に歩いて感じた熱気や沿道の人々の熱狂、そして媽祖信仰の深さに触れた貴重な体験をレポートします。

宗教行事としてだけでなく、台湾の文化や人々の暮らしを知る絶好の機会でもあるこの巡礼の魅力を、
ぜひこの記事でお伝えしたいと思います。

目次

大甲媽祖巡礼とは?

海の女神・媽祖様
海の女神・媽祖様

大甲媽祖巡礼(大甲媽祖遶境進香)は、台湾で最も有名で規模の大きな宗教行事の一つです。毎年春に行われ、台中市の大甲鎮瀾宮を起点として、約9日間かけて300キロ以上の道のりを歩きながら媽祖(まそ)という海の女神を祀る巡礼です。

媽祖は航海や漁業の守護神として、台湾や中国沿岸部の人々から広く信仰されています。この巡礼は、媽祖の神霊を鎮瀾宮から近隣の媽祖廟へと迎えに行き、その後また戻ってくるという形で行われ、道中では多くの信者が神輿を担ぎ、祈りや歌、踊りなどで神様を盛大にお迎えします。

参加者は信者だけでなく、観光客や地元の人々も多く、毎年延べ100万人以上がこの行事に関わると言われています。台湾国内だけでなく、海外からも多くの参拝者が訪れるなど、文化的な交流の場としても注目されています。

巡礼のルートは年ごとに若干変わりますが、主に台中から彰化、嘉義といった中南部の町を経由し、台湾の伝統的な祭りの雰囲気を味わえる絶好の機会です。

この壮大な行事は単なる宗教儀式にとどまらず、台湾の地域コミュニティの結束や文化継承、観光促進にも大きな役割を果たしています。

巡礼の流れ・スケジュール

新港奉天宮
新港奉天宮

大甲媽祖巡礼(大甲媽祖遶境進香)は台中の大甲鎮瀾宮を出発して南へ約300kmを歩いて巡ります。
以下は一般的な流れと主なスケジュールの例です。

1日目:出発式と祈願祭

  • 大甲鎮瀾宮で盛大な出発式が行われます。
  • 神輿(みこし)や行列が準備され、参加者が集まります。
  • 祭典関係者や信者が媽祖の加護を祈願し、巡礼の安全を願います。

2〜8日目:巡礼行進

  • 毎日数十キロずつ南下しながら複数の町や村を通過します。
  • 沿道では信者や地元の人々が出迎え、屋台やパフォーマンスで賑わいます。
  • 参加者は神輿を担ぎながら歩き、歌や踊り、祈りを捧げます。
  • 一部の区間では徹夜で歩くこともあり、体力勝負の場面も。

9日目:帰還と還神祭

  • 巡礼団は大甲鎮瀾宮に戻り、媽祖の還神祭が行われます。
  • 全行程の安全と無事を感謝する儀式が執り行われ、祭りはクライマックスを迎えます。

参加者のポイント

  • 全行程を歩く人もいれば、数日だけ参加する人や、沿道で応援する人も多いです。
  • ルートや日程は毎年微妙に変わるので、事前の公式発表を確認するのがおすすめ。
  • 途中で宿泊や休憩ができる場所もありますが、混雑が激しいため早めの手配が必要です。

体験レポート

爆竹の残骸
いたるところに爆竹の残骸が

私は嘉義に滞在していた際に、大甲媽祖巡礼がちょうど折り返し地点である新港に向かっていることを知りました。せっかくの機会だと思い、急遽新港へ足を運び、一日だけ参加してみることにしました。

媽祖様の位置はWEBサイトで随時更新されているので、スケジュールが立てやすいのが便利だなと感じました。

新港に着くと、沿道には多くの信者や観光客が集まり、熱気と活気に満ち溢れていました。
神輿を担ぐ人々の掛け声や、爆竹の音、そして伝統的な歌や踊りがあちこちから聞こえる中、
中でも特に驚いたのが、セクシーな恰好のお姉さんがDJプレーをして盛り上げていたことです。
まるでクラブのような雰囲気で、祭りの熱狂が一層加速していました。

巡礼の隊列がゆっくりと通り過ぎる瞬間、沿道の信者の方たちは一斉に手を合わせ、熱心に祈りを捧げていました。神輿に対する敬意と感謝の気持ちがひしひしと伝わってきて、その真剣な表情からは深い信仰心を感じました。

また、媽祖様の神輿が通り過ぎる時には、専用の曲が流れていて、ポップソング調なのにどこか非常に神聖で荘厳な雰囲気がありました。言葉ではうまく表現しきれませんが、そのギャップがとても印象的で心に残りました。

多くの人々がスマートフォンやカメラを手にし、その貴重な光景を写真や動画に収めようと夢中になっていました。信仰の祈りと祭りの楽しさが見事に融合し、まさに「お祭り」としての一体感と活気が強く会場を包み込んでいました。

媽祖様の位置
媽祖様の位置は専用サイトで分かる

鑽轎腳を体験してみて

媽祖様の神輿
媽祖様の神輿

大甲媽祖巡礼の一体感をより深く味わうために、私は「鑽轎腳」という伝統的な体験にも挑戦しました。これは神輿(轎) の下をくぐることで、媽祖様のご加護を直接いただけると信じられている行為です。

実際に神輿の下をくぐる瞬間は緊張と興奮が入り混じり、周囲の熱気とともに神聖な空気を強く感じました。

鑽轎腳を体験したことで、ただ見ているだけの参加とは違い、より深く媽祖信仰の世界に触れられたと実感しました。この瞬間は、巡礼の中で最も心に残る貴重な体験の一つとなりました。

参加して感じた注意点・アドバイス

媽祖様Tシャツも買えます
媽祖様Tシャツも買えます

大甲媽祖巡礼に一日だけ参加してみて、体力面や準備についていくつか注意すべきポイントを感じました。

まず、巡礼は長時間歩く行事なので、歩きやすい靴や動きやすい服装を用意することが必須です。特に夏場は暑さが厳しくなるため、水分補給をこまめに行い、熱中症対策も忘れないようにしましょう。

また、沿道は大勢の人で混雑するため、貴重品の管理には十分気をつけてください。
必要最低限の荷物で参加するのがおすすめです。

休憩場所やトイレは限られているため、早めに確認し、休憩計画を立てておくと安心です。ボランティアの方々が飲み物や軽食を無料で配布してくれていますが、長時間の参加を考えるなら自分でも簡単な補給食を持参すると良いでしょう。

大甲鎮瀾宮について

大甲鎮瀾宮
大甲鎮瀾宮

大甲媽祖巡礼の起点であり、終着点でもある「大甲鎮瀾宮」は、台湾中部・台中市大甲区に位置する媽祖廟です。清朝時代の1725年に創建されて以来、地域の人々から厚い信仰を集めてきました。

媽祖様を祀る特に重要な廟の一つであり、建築は伝統的な閩南式様式で、美しい彫刻や色彩豊かな装飾が特徴です。毎年行われる大甲媽祖巡礼は、この鎮瀾宮から媽祖様の神輿が出発し、約9日間に及ぶ長い旅を経て戻ってくるという神聖な行事です。

巡礼が終わった後、実際に大甲鎮瀾宮を訪れてみました。境内には多くの参拝者が集まり、媽祖様への感謝や祈願を捧げる熱気に満ちていました。老若男女問わず、参拝者それぞれが神聖な雰囲気の中で心を込めて祈る姿からは、巡礼の余韻と地域の深い信仰心が伝わってきました。

参拝者は鎮瀾宮でお守りや縁起物を購入したり、ゆったりとした境内の雰囲気を楽しんだりしています。歴史と信仰が息づく大甲鎮瀾宮は、台湾の伝統文化を体感するうえで欠かせないスポットです。

媽祖様
媽祖様

大甲鎮瀾宮の基本情報

  • 住所:台中市大甲区順天路158号
  • 参拝時間:概ね早朝6時頃~夜21時半まで。祭典期間中は変更の可能性があるため、公式サイト等で確認を

🚍 台中市内からの行き方(バス・電車・タクシー)

① ▶電車+徒歩

  • ルート:台中駅 → 台鉄(TRA)電車で「大甲駅」まで → 駅から徒歩約200m(3~5分)
  • 所要時間:電車約1時間+徒歩

② ▶バス

  • 路線名:「台中客運(台湾バス)」または「豊原客運」の台中~大甲線
  • 所要時間:約1時間(発着場所により変動)

台湾のお祭りに参加しよう

ビールも配ってた
ビールいただいちゃいました

一日だけの参加ではありましたが、その短い時間の中にも巡礼のスケールの大きさや、地域の人々の深い信仰心に圧倒される場面がたくさんありました。

沿道では屋台で地元グルメを楽しめるだけでなく、お水やお酒、フルーツやスープなどを地元のボランティアの方々が無料で配ってくれていて、その温かいおもてなしに心がじんとしました。
観光というより、まさに「文化を体感する旅」といえるほどの濃い時間を過ごすことができました。

大甲媽祖巡礼は、真剣な信仰が息づくまじめな宗教行事であると同時に、誰もが参加できる熱気あふれるお祭りでもあります。
信者にとっては神聖な時間でありながら、道中には音楽やパフォーマンスもあり、地元の人や観光客が一緒になって盛り上がる空気に包まれていました。

今回の体験を通して、大甲媽祖巡礼は単なる宗教イベントではなく、地域の絆や人々の想いをつなぐ、台湾の伝統文化の象徴なのだと感じました。
いつか機会があれば、9日間300kmの全行程にもチャレンジしてみたいという思いが強くなりました。

私のSNSYouTubeでは最新の台湾情報を随時更新しているので、是非フォロー、チャンネル登録をお願いいたします。それでは今回はこの辺で。

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Chan Kei
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写真や動画を通して旅の魅力を伝えています。
大甲媽祖巡礼

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