台湾・苗栗といえば、中国大陸から移住してきた客家の方が多く暮らす地域として知られています。
台北から鉄道で約1時間半とアクセスも良く、旅行先としてもおすすめです。
とはいえ、苗栗に行こうと思っても「どこに行けばいいの?」と迷う方も多いはず。
そこで今回は、苗栗県(主に竹南、苗栗市、三義)のおすすめ観光地・グルメスポット・ホテルをまとめてご紹介します。
素敵な場所がたくさんあるので、旅行プラン作りの参考にしてみてください。
苗栗県北部の観光スポット
まずは苗栗県北部の観光スポットからご紹介します。
北部エリアは竹南を中心に見どころが点在しており、派手さこそ少ないかもしれませんが、そのぶん台湾のローカルな魅力をじっくり味わえるスポットが揃っています。
観光地というよりも、地元の人々の暮らしや文化を肌で感じられる場所ばかりなので、きっと新しい発見があるはずです。ぜひご期待ください。
竹南ビール工場

まずご紹介したいのは 竹南ビール工場。
ここは皆さんおなじみの「台湾ビール」を製造している工場です。
工場の建設計画は1981年に始まりましたが、当時は外国産ビールの輸入が解禁されたこともあり、一度は工事が中断されました。その後1990年の再検討を経て工事を再開し1996年にようやく完成。1998年にはロック界のスーパースター伍佰(ウーバイ)を招き、一万人規模のコンサートを開催。その後本格的な量産を開始し、今では臺灣菸酒股份有限公司の中で最大規模の生産能力を誇るビール工場となっています。
私が訪れた際は感染症の影響で工場見学や試飲は休止中でしたが、館内には台湾ビールの歴史を紹介する展示があり、お土産コーナーや生ビールの屋台なども楽しむことができました。
水興宮

竹南で印象的なお寺といえば、やはり巨大な太子像が目を引く水興宮。
高台に位置しているため景色も良く、参拝だけでなく休憩スポットとしても快適な環境が整っています。
また地元の人々の間ではパワースポットとしても知られており、多くの参拝者がそのご利益を実感しているそうです。
竹南五穀宮

苗栗県竹南鎮にある五穀宮は、神農大帝を祀る寺院で、竹南・三湾・頭份・造橋に暮らす閩南人と客家人が共に信仰してきました。そのため、祭日も閩南人と客家人で異なり、地域の多様な文化が息づいているのが特徴です。
創建は18世紀にまでさかのぼり、古くから農業や暮らしを守る信仰の中心として親しまれてきました。
そして何より目を引くのが、下の建物込みで高さ約47メートルの巨大な神農大帝像。台鉄からも見えるそのスケールは圧巻で、竹南を代表するランドマークとなっています。
閩南人とは
中国福建省南部を起源とし、台湾や東南アジアに移住した漢民族の一支系。
客家人とは
元は中国北方にルーツを持ち、歴史的に中国南部へ移住を繰り返してきた漢民族の一支系。
蘆竹湳古厝

蘆竹湳古厝は、300年以上の歴史を持つ集落で、昔ながらの街並みを楽しむことができます。
赤レンガ造りの53棟の家屋が並び、伝統的な建築美を感じられる貴重な場所です。
工業地帯に残るノスタルジックな景観は、昔の台湾の暮らしや文化を肌で感じられ、まるでタイムスリップしたかのような体験ができます。また近年は壁画や彩色アートなど、写真映えするスポットも増えました。
台湾の伝統文化と暮らしの美しさを実感できる、隠れた名所です。
南庄老街

南庄老街は、竹南からバスで約1時間の場所にあるスポットです。
日本統治時代の名残を感じさせるレトロで歴史ある街並みや、客家文化が色濃く残っており、特に「桂花巷」と呼ばれる路地が有名です。
街では客家料理やキンモクセイを使ったスイーツ、伝統的なお茶なども楽しめるため、常に多くの観光客で賑わっています。
苗栗県中部の観光スポット
続いては、苗栗県中部の観光スポットをご紹介します。
苗栗駅を中心に、歴史的な観光地や絶景スポットなど、魅力あふれる場所がたくさん。ぜひ、お気に入りのスポットを見つけてみてくださいね。
後龍好望角風景区

台湾・苗栗県後龍鎮にある後龍好望角は、苗栗沿岸で最も高い展望スポットです。
展望台からは、海と空が一体となる壮大なパノラマや、巨大な風車、夕日、そして周囲の田園風景を一望できます。
展望台の広場には、かつての戦備時代に使われた旧軍事要塞も残っており、歴史を感じながら景色を楽しむことができます。また運が良ければ、海線を走る列車の姿も見ることができます。
過港隧道

続いては「過港隧道」をご紹介します。
ここは、かつて実際に使われていたトンネルを改築・整備した観光スポットです。イルミネーションのような照明も設置されており、写真映えも抜群。歩きやすく、家族連れでも気軽に散策できます。
観光客も少なくゆったり楽しめるため、好望角へ行くのであれば是非合わせて訪れてほしい穴場スポットです。
玉清宮

苗栗玉清宮は、台湾・苗栗市玉清里にある歴史ある廟で、1906年の創建以来、地域の信仰の中心として親しまれています。
廟内には関聖帝君や観音菩薩、玉皇大帝、文昌帝君など多くの神様が祀られており、歴史的な建物とともに、台湾の伝統文化を感じられるスポットです。
玉清公園

玉清宮に隣接する玉清公園は1987年に完成。広大な敷地の園内には巨大な関羽像も立っています。
建設費は台湾省政府や苗栗県、玉清宮の寄付で賄われました。
1997年には公園の拡張工事も完了し、地域の関係者が参加する伝統儀式も行われました。園内を散策しながら、歴史と文化を感じられるスポットです。
功維敘步道

功維敘步道は、苗栗市・貓狸山にある歴史ある観光スポットです。もともとは日本統治時代に建設された鉄道トンネル「功維敘隧道」を整備したもので、保存状態の良い百年の歴史を感じることができます。
トンネル内には七色に変化するライトが設置され、幻想的な光景を楽しめます。
もちろん当時の鉄道の雰囲気も体感することもでき、写真映えも抜群です。
トンネルを出た先には、昔の電車や巨大な切符のオブジェなどのフォトスポットがあります。ほかの観光スポットと組み合わせれば、一日かけて楽しめるおすすめのスポットです。
苗栗県南部の観光スポット
続いては、苗栗県南部の観光スポットをご紹介します。
南部は三義を中心に、自然あふれる景勝地や歴史的な史跡が点在しており、歴史と自然が調和した魅力を満喫できるエリアです。
國爸爸の杭菊

苗栗県銅鑼郷で栽培される「國爸爸の杭菊」は、地元の農家が一つひとつ丁寧に手摘みで収穫した花を使用しています。生産から乾燥まで一貫して行うため、花の形や香りをしっかりと保っています。
また杭菊は、肝機能のケアや目の疲れを和らげる効果があり、特にパソコンやスマホを長時間使う人におすすめです。香りはやさしく甘みもあり、お茶として楽しめるほか、ギフトとしても人気です。安全面も考慮され、農薬検査もクリア済み。苗栗銅鑼産の高品質な杭菊を、気軽に味わえるおすすめの特産品です。
この場所ではそんな菊をはじめ、沢山の綺麗な花々を見たり、買ったりする事ができます。
三義木彫博物館

三義木彫博物館は、台湾・苗栗県三義郷にある、木彫りをテーマにした唯一の公立博物館です。
1995年に開館し、木彫作品の収集・保存・展示・普及を目的としています。館内では、台湾の木彫芸術作品はもちろん、各国の伝統的な木彫作品も見ることができます。
四月雪小径

四月雪小径は、台湾・苗栗県三義郷にある美しい遊歩道で、春になると油桐花(アブラギリの花)が咲き誇ります。
三義木彫博物館の近くに位置しており、例年4月下旬から5月上旬にかけて、満開の白い花々が道を覆い、まるで雪が降ったかのような景色を楽しめます。
静かな散策を楽しみながら、春の自然美を満喫できるおすすめスポットです。
龍騰断橋

龍騰断橋は、台湾・苗栗県三義郷に残る震災遺産として知られる鉄道橋の遺構です。
1908年に建設されたレンガ造りのアーチ橋で、1935年の地震で破損し断橋となりました。現在もその姿を留めており、歴史的価値と独特の風情を感じられる観光スポットです。
写真撮影にもおすすめですし、旧山線の観光鉄道と組み合わせれば、歴史と自然とアクティビティを同時に楽しむことができます。
舊山線鐵道自行車

舊山線鐵道自行車は、旧山線鉄道を利用した観光アクティビティです。
もともと使われていた鉄道の線路を活用し、レンタルサイクルに乗って線路の上を走る体験ができます。
途中には龍騰断橋や美しい自然の風景、歴史あるトンネルなどが点在しており、写真撮影スポットも多く、景色を楽しみながらゆったりとサイクリングできます。
歴史と自然を一度に楽しめるおすすめのアクティビティです。
火炎山

苗栗県南部の県境にある火焔山は、木が少ない険しい山で、独特の景色が楽しめます。
夕方には夕日で山が赤く染まり、その名前の由来を実感できます。
また台湾鉄道で台中へ向かう途中に車窓から眺める事も可能です。
苗栗県のグルメスポット
続いては、苗栗県のグルメスポットをご紹介します。
苗栗は客家の人が多く住んでいるため、客家料理のお店が充実しているのが特徴です。もちろんそれ以外にもチェーン店含め美味しいお店がたくさんあり、地元の味をじっくり楽しむことができます。
小時厚牛排苗栗頭彬店

小時厚牛排は、コスパ重視のチェーン展開する手頃な価格のステーキ店です。私が訪れたのは頭份にある小時厚牛排苗栗頭彬店。
特徴は、ポップコーン、コーンスープ、カレーライス、トースト、アイスクリーム、ドリンクなどが揃った食べ放題のビュッフェを提供している点です。
お肉味も申し分なく、お値段190元前後からとお財布に優しい価格設定です。
老皮牛肉麺頭彬尚順店

続いてご紹介するのは「老皮牛肉麺」。このお店は人気の牛肉麺チェーン店です。
ここでは牛肉麺はもちろん、豆花や豆乳が食べ飲み放題で楽しめるのが魅力。もちもちの自家製麺とスープの相性も抜群です。
私が訪れたのは頭份の頭彬尚順店。
美味しい牛肉麺と、デザートの贅沢な組み合わせをぜひ堪能してみてください。
蒸烹派餐廳

三義にある「蒸烹派客家美食餐廳」は、苗栗で人気の客家料理レストラン。
苗栗縣文化局から客家料理の認証を受けた名店で、店主は「客家料理を伝える」ことを大切にしながら、常に創意工夫を重ねています。苗栗ならではの本格客家料理を心ゆくまで楽しむ事ができるお店です。
風都食堂

三義にある「風都食堂」は、本格的な和食を楽しめるレストランです。
高級店ではなく、リーズナブルな価格帯のメニューが中心なので、気軽に立ち寄れます。三義を訪れる方で、日本食が恋しくなった方にはぴったりのお店です。
私がいただいた唐揚げ弁当も、ボリューム満点で最高に美味しかったです。
大家好麵店

大家好麵店は、三義で人気の牛肉麺店です。
麺はボリュームたっぷりで、お肉も柔らかくて絶品。地元の人から「三義で一番美味しい!」と絶賛されることも少なくありません。
ランチタイムは行列ができるほど人気なので、少し早めの時間に行くか、テイクアウトを利用するのがおすすめです。
苗栗県のホテル
最後に、苗栗でおすすめのホテルを2つほどご紹介します。
苗栗滞在中、素敵な出会いが多かったのは、このホテルに宿泊できたおかげでもあります。
他の宿泊者はもちろん、スタッフの方々も皆親切で、居心地の良い滞在を楽しめました。
新興大旅社

新興大旅社は、親子3代にわたって愛されてきた、客家文化を体験できる老舗旅館です。
1950年創業の歴史ある旅館で、館内はレトロで可愛い内装が魅力。現在のオーナー夫妻もとても優しく、色々なお話をしたり、一緒にご飯を楽しんだりと、温かい時間を過ごせました。
また隣には娘さんが経営するカフェもあり、ゆったりとした時間を楽しめる素敵な空間となっています。
正在旅行-On the way traveling

正在旅行 – On the way traveling は、三義にある素敵なホステルです。最近改装され、ますます綺麗で広くなりました。優しいオーナーと可愛い猫ちゃんが出迎えてくれます。ドミトリールームなら、一泊約3,000円とリーズナブル。三義を訪れる際に、気軽に滞在できるおすすめの宿です。
台北から遠出してみよう
というわけで、本日は苗栗の魅力を深掘りしてみました。苗栗はどうしても地味なイメージが先行しがちですが、私は心からおすすめしたい場所です。
以前、徒歩で台湾一周をしていた際、苗栗あたりから多くの方に声をかけていただき、台湾の温かさを実感しました。そうした出会いも含め、台北などの都会では味わえないローカルな台湾を体験できるのも苗栗の魅力です。
都会とはまた違った台湾の一面を知ることができるので、ぜひ苗栗観光を楽しんでみてください。
私のSNS、YouTubeでは最新の台湾情報を随時更新しているので、是非フォロー、チャンネル登録をお願いいたします。それでは今回はこの辺で。
Chan Kei Profile

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