台湾旅行は治安が良いことで知られており、特に女性の一人旅にも人気の旅行先です。実際に現地で過ごしてみると、多くの場所で安心して観光を楽しめるでしょう。しかし、だからといって気を抜きすぎるのは危険です。安全な国だからこそ、意外なところで思わぬトラブルやヒヤッとする体験をすることもあります。
この記事では、私が台湾旅行中に実際に体験した、ちょっと怖かったけれど役立つ5つの出来事をご紹介します。これらの体験を通して、安心して楽しい旅をするために気を付けてほしいポイントをお伝えできればと思います。
ホテルのオーナーに怒鳴られてビックリ!

これは台東のホテルで実際に経験した話です。
私は普段からドミトリーなどのリーズナブルな宿を選ぶことが多く、このときもローカルな雰囲気のホテルに泊まりました。宿泊スタイルが似ている方は、ちょっと注意しておくと安心かもしれません。こういう宿では宿泊客や、オーナーと頻繁にコミュニケーションをとる場面があるからです。
チェックイン時、私が少しだけ中国語を話せたこともあり、オーナーとはずっと中国語で会話していました。ところが、ある部分で私がオーナーの中国語を聞き取れなかった為、聞き返すとオーナーが突然怒鳴り始めたんです。
台湾人の友人によると、「怒鳴ってる=怒っている」というわけではないことも多いそうで、感情表現が大きめなだけとのこと。でも、怒鳴られ慣れていない日本人にとっては、やっぱりかなりびっくりしますよね…。
ちなみに、どのホテルかは控えますが、Googleの口コミを見てみると、私と似たような経験をした人が他にも何人かいたようでした。
「自分だけじゃなかったんだ」と思うと少しホッとしますが、やはり事前に知っておくと心構えができますよね。
実際、台湾ではホテルや飲食店などでも、声が大きくて圧を感じる接客に出会うことがあります。特に言葉がうまく通じないときにそう感じやすい印象です。
もちろん台湾の人は基本的にとても親切なんですが、こうした“文化の違い”があることを知っておくだけで、いざというときに焦らず対応できます。「怒ってるわけじゃない」と心構えしておくと気が楽になりますよ!
バスの運転荒すぎてむち打ちになりそうに

日本では、バスといえば「安全・丁寧・ゆっくり」という印象がありませんか?
法定速度を守り、乗降もゆっくり、ホスピタリティすら感じる乗り物。それが当たり前のように感じていた私にとって、台湾のバスはカルチャーショックそのものでした。
まず、人が乗ったら即出発。降りるときもドアが開いた瞬間に動き出すこともあり、正直、のんびりしていたら置いていかれそうな勢いです。
運転もなかなかワイルドで、急ブレーキや急発進が多く、本気でむち打ちになるかと思ったほどです。
特に田舎に行くほどその傾向は強く、のどかな田園風景を見ながら…なんて思っていたら、時速100km近くでぶっ飛ばすバスに乗る羽目に。景色を楽しむどころじゃありませんでした(笑)。
ちなみにこの時、まじかと思いながら運転手さんを見ると、前方の席の乗客と世間話をしながら運転してました。台湾では事故を起こしたバスを何度も見かけましたが納得です。
また、先ほどのホテルの話とも少し重なりますが、バスの運転手さんも基本的には無愛想な方が多めです。
でも安心してください、質問があってもちゃんと聞けば答えてくれますし、怒っているわけではありません。ただちょっと声が大きくて表情が硬いだけ。ここでも「文化の違いなんだな」と割り切るとラクになります。
とはいえ、乗車中はしっかりつり革を握って“軽く筋トレしてる気分”で挑むのが台湾バスの正しい乗り方かも?なんて思ってしまいました。
台湾では乗車希望のバスが到着した際に手をあげて合図しないとスルーされます
青信号で車が突っ込んできた

これは、私が台湾を徒歩で一周した旅の最終日に起きた出来事です。
無事にケガもなく台北まで戻ってきて、ゴール地点にしていた龍山寺を目指して歩いている最中のことでした。たしか場所は台北市に入る手前、新北市あたりだったと思います。
横断歩道を、青信号になったのを確認して歩いていたそのとき──
突然、おじいさんが運転する車が信号無視して突っ込んできたんです。
とっさに身をかわしたから何もなかったものの、本当にあと数秒ずれていたら…と思うとゾッとします。
そのおじいさんはというと、窓を開けて笑いながら「ごめんごめん~!」と手を振って去っていきました。いや、いやいや、笑って許されるレベルじゃないから! と、正直かなり腹が立ちました。
台湾では交通事故が多いと言われていますが、車やバイクが主役の社会なので納得です。
台湾人の友人に話したところ、
「台湾は免許が簡単に取れるし、違反しても罰金が安いから、運転マナーがあまり良くないんだよ」
と教えてくれました。
さらに印象的だったのが、彼が言っていたひと言:
「台灣人是很隨便」
(台湾人って、いい意味でも悪い意味でも“テキトー”なんだよね)
そういう気質が、交通のルーズさにも現れてるのかもしれません。
ちなみにもう一つ。嘉義でも青信号で横断歩道を渡っていたときに、警察官から「早く渡れ!」と怒鳴られたことがありました。信号が変わったばかりで余裕があったのに、なぜ?と戸惑いましたが、どうやら台湾では「車優先」が“暗黙のルール”のようです。
日本のような「歩行者ファースト」が通用しない場面も多いので、信号が青でも気を抜かず、常に周囲の車を確認する意識が大切だと強く感じた体験でした。
2024年の台湾における自動車の交通事故件数は、1月から10月までの累計で32万1,371件。
1日あたりに約1,054件の交通事故が発生している計算になる。
何度も横入りされた

台湾旅行をしていると、「横入り」される場面に意外とよく出くわします。
観光地からの帰り道、バス停で列に並んでいたときのこと。
私の前にいたはずの場所に、いつの間にか地元のおばちゃんたちが堂々と割り込んできたんです。
人数も多く、ちょっと注意する気も起きなかったので「まあ座れないだろうな…」と諦めモードで見送っていたのですが、なんとそのバスは立ち乗り禁止。
そして、ちょうど私の目の前で満席に…!
横入りがなければ確実に座れていたはずなのに、まさかの乗れないというオチが待っていました。
バスを待っている際におばちゃんたちは何度も自分達の前に並んでいる人達の人数を数えていたので、どう考えても確信犯。
ショックと怒りと、そしてちょっと笑ってしまうような気持ちが入り混じった瞬間でした。
さらに別の日には、セブンイレブンでも横入りに遭遇。
もう台湾での横入りは「あるある」なので気にしないようにしていたのですが、そのときは店員さんが気づいていて、横入りした人をスルーして私を先にレジへ案内してくれたんです。
小さなことかもしれませんが、あの店員さんの“正義の一手”に救われた気がしました。
みなさんは海外で横入りされたとき、どうしますか?
注意しますか?それとも、私のようにトラブルを避けて見て見ぬふりをしますか?
台湾はモラルのある人が圧倒的に多いですが、中にはそうでない人ももちろんいます。
それは日本も同じ。「台湾人=みんな親切」みたいな幻想は、旅行をもっと快適にするためにも手放しておくのがいいかもしれません。
突然あらわれる「そういうお店」にドキッとした話
台湾では売春は違法とされています。
そのため、表向きには存在しないことになっていますが、実際にはサウナやカラオケ店など、一見すると普通の店舗の裏で、それらしき営業や斡旋が行われているという話をよく聞きます。台北なら龍山寺周辺や中山が有名ですね。
旅行中に街を歩いていて、急にそういったお店が並ぶ通りに出てしまうこともあります。
特に暗い路地裏に灯る明かりや、線路沿いの掘っ立て小屋には注意が必要です。
私は台中などでよくそのようなお店を見かけていたのですが、実は基隆・桃園・苗栗・中壢などの決して大きくはない都市でも時折目にすることがありました。
知らないで歩いていて突然それらしいエリアに出てしまうと、ちょっとドキッとしますよね。
もちろん、それらのエリアが必ずしも危険というわけではありません。
普通に生活している人もたくさんいますし、トラブルが起きやすいとは一概には言えません。
とはいえ、そういった場所には「何かに引き寄せられるように、いろんな人が集まってくる」空気感があるのも事実。
念のため、夜道や裏通りは避けるなど、少しだけ意識しておくと安心です。
また、男性の読者の皆さんに一言。
台湾では売春はれっきとした違法行為です。
うっかり“そういうお店”に入ってしまって、もしその場に警察が踏み込んできたら……旅行どころではありません。
「観光客だから知らなかった」では済まされません。
節度を持って、安全に旅行を楽しむ。それが一番大切ですね。
台湾は安全…でも「気をつける心」は忘れずに。
台湾はアジアの中でも治安が良く、初めての海外旅行や女性の一人旅でも安心して訪れやすい国です。
実際、私自身も多くの親切な人に出会い、たくさんの素敵な思い出を持ち帰ることができました。
でも──「安全」と言われる場所だからこそ、油断しすぎないことが大切なのだと、旅を通して感じました。
怒鳴るオーナー、荒すぎるバス運転手、信号無視の車、日常的な横入り、そして思わぬ裏通りの雰囲気…。
こうした体験は、すべて「台湾だから危ない」という話ではありません。
むしろ、文化の違いや社会の背景を理解していれば、もっと快適に、もっと楽しく旅ができるという学びでもありました。
旅行を心から楽しむために必要なのは、完璧な安心ではなく、ちょっとした警戒心と、柔軟な受け止め方かもしれません。
これから台湾を旅する方にとって、今回の私の体験談が少しでも参考になれば嬉しいです。
安全で、楽しくて、美味しくて、時々ちょっとびっくりする──
そんな台湾を、ぜひ味わいに行ってみてください。
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