本日は鍾孟宏(チョン・モンホン)監督の『瀑布』をご紹介します。
以前、たまたま鍾孟宏監督の『ひとつの太陽』(陽光普照)を観たことがあり、その淡い映像美やカット割り、派手さはないもののグイグイ引き込まれる作風にすっかり惚れ込みました。
今回、Netflixで同監督の新作が配信されていると知り、すぐに鑑賞しましたが、改めてこの監督の作品の素晴らしさを実感しました。
映画のレビューはネタバレを避けなければならず難しいのですが、この記事を読んで興味を持っていただけたら嬉しいです。それでは紹介に参りましょう。
スタッフ・キャスト
監督
鍾孟宏(チョン・モンホン)
脚本
鍾孟宏(チョン・モンホン)
張耀升(チャン・ヤオシェン)
キャスト
賈静雯(アリッサ・チア)
王淨(ワン・ジン)
陳以文(チェン・イーウェン)
李李仁(リー・リーレン)
劉亮佐(リウ・リャンツオ)
楊麗音(ヤン・リーイン)
宋少卿(ソン・シャオチン)
魏如萱(ウェイ・ルーシュエン)
あらすじ
舞台はコロナ禍の台湾。夫と離婚して3年、母と娘の二人暮らしですが、思春期の娘とはなかなか心が通わない日々が続きます。そんな中、母親は徐々に精神疾患を患い始めます。
娘は動揺しながらも必死に母親に寄り添おうとしますが、一度できてしまった心の溝はなかなか埋まらず、やがて母親の病状は悪化してしまいます…。
思春期の娘と精神疾患を抱えた母親の心のやり取りを中心に描くヒューマンドラマです。
感想
『ひとつの太陽』が良かったので、今回の作品も観てみましたが、期待を裏切ることなく最後まで見入ってしまいました。
作品自体の良さはもちろんですが、アリッサ・チアとワン・ジンの自然で素晴らしい演技が、派手さのない作品でも観る者を飽きさせず、ぐいぐいと物語に引き込んでいると感じました。
最初は母に反抗的だった娘が、母の病気が進むにつれて本気で心配し、献身的になっていく様子はとてもリアルで感情移入しやすかったです。
私は最近、ワン・ジンがファン・ルイシン役で出演していた台湾映画『返校』を観たばかりだったので、また彼女の演技を見ることができて嬉しかったです。また、父親役のリー・リーレンが台湾の人気ドラマ『華燈初上』でチンピラ役を演じていた方だと後で気づき、驚きました。出演者全員の演技がとても良かったと思います。
ちなみに“瀑布”は中国語で「滝」を意味します。小さな滝ではなく、大きな滝を指す言葉です。なぜこの作品のタイトルが『瀑布』なのか、その意味はネタバレになりラストシーンにも関わるので、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
それでは今回はこの辺で。最後のラストシーンは本当にハラハラしました…。
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