五月天(Mayday)のボーカリストといえば、やはり阿信。
その人気は中華圏にとどまらず、まさにアジアで最も愛されるシンガーの一人と言っても過言ではありません。
バンドの中心人物として活躍するだけでなく、台湾のストリートブランドSTAYREALを立ち上げ、ファッション業界でも才能を発揮。
音楽だけにとどまらず、マルチな活動を続けている人物です。
そんな阿信ですが、実は意外にもソロ作品はそれほど多くありません。
長いキャリアを持つ彼ですが、あくまで五月天の一員として歩んできた姿勢がうかがえます。
今回はその貴重なソロ作品をいくつかご紹介していきたいと思います。
五月天とはまた違った、阿信の個人的な世界観や表現を、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
當每顆星星 Every Star
まずご紹介するのは『當每顆星星(Every Star)』という楽曲です。
星をテーマにしたこの曲は、壮大なスケール感のあるロックバラード。
サビで一気に広がる音のひとつひとつが、まるで夜空に舞う星のようで、とても美しい仕上がりになっています。
中でも「而五月我依然眷戀(そして5月もまだ恋をしている)」という歌詞には、五月天ファンなら思わずニヤリとしてしまうはずです。
外でキャンプをしながら、ゆったりとコーヒー片手にこの曲を聴けたら…
そんな時間がきっと、少しだけ特別なものになるんじゃないかと思います。
一半人生 Half a Life
次にご紹介するのは、映画『飛馳人生』の主題歌である『一半人生(Half a Life)』です。
アコーディオンとアコースティックギターの優しい音色で始まるこの曲は、どこか懐かしさを感じさせる一曲に仕上がっています。
歌詞では、自分の半生を振り返り、これからの人生をどう生きていくのかを問いかけるような決意が込められているように感じました。
「我的一半人生 冷暖就讓我自己過問。有熱愛有恨 有未知的前程」
(人生の半分は、自分自身に任されている。愛があり、憎しみがあり、未知の未来がある)
この言葉には、人生の苦楽と未来への希望が凝縮されているように思います。
隱形的紀念 The Hidden Memories
続いてご紹介するのは、『隱形的紀念(The Hidden Memories)』という楽曲です。
この曲は、奄美大島出身の日本人歌手・中孝介が2006年にリリースした『それぞれに』の台湾版カバー曲。
『それぞれに』は、台湾のメガヒット映画でファン・イーチェン主演の『海角七号 君想う、国境の南』の挿入歌として使われ、台湾の人々にとても馴染み深い一曲となっています。
そんな人気曲を、国民的歌手である阿信がカバーしたのですから、ヒットしないわけがありません。
日本人としては、琉球の風を感じさせるメロディーがとても印象的なナンバーです。
青空未來 Future
五月天(Mayday)のオンラインライブ「Fly to 2022」でも演奏された『青空未來(Future)』をご紹介します。
この曲は、今の地球に住むすべての人々に向けた優しいエールのように感じられます。
たとえ失敗を経験しても、振り返ればそれが勇気の証。
空を見上げれば、私たちの未来はまだ明るく輝いている――そんな思いを、阿信が歌い語りかけてくれているように思いました。
日々の生活に疲れたときでも、この曲を聴くと心がふっと軽くなる。
そんな不思議な力が音楽にはあるのだと改めて感じさせてくれます。
月亮代表我的心 The Moon Represents My Heart
最後にご紹介するのは、テレサ・テン(鄧麗君)の代表曲を阿信がカバーした『月代表我的心』です。
日本ではテレサ・テンの『時の流れに身をまかせ』『つぐない』『別れの予感』などがよく知られていますが、中華圏で特に有名なのはこの『月代表我的心』で、まさにスタンダードナンバーと言える名曲です。
さらに、この曲は現在台湾で大人気のドラマ『華燈初上』の主題歌にもなっています。
以前のブログでも触れましたが、このドラマは本当に面白いので、ぜひドラマと合わせて曲もチェックしてみてください。きっとハマるはずです。
台湾のカリスマボーカリスト
さて、今回の阿信特集はいかがでしたでしょうか?
正直なところ、阿信のソロ曲は五月天のライブでもよく演奏されるため、ソロ曲と言いながらもほとんど五月天の曲としてリリースしてもいいのではないかと思うことがあります。
曲調もソロ作品だからといって極端にポップになるわけではなく、基本的にはいつもの五月天らしいバンドサウンドに近いのです。
もちろん、どの曲も素晴らしいので、阿信のソロ名義で聴けるだけでもありがたいことですが、将来的には阿信ならではの個性的な“阿信サウンド”のソロ曲がもっと聴けたらうれしいなと感じています。
言い換えれば、それだけ五月天のサウンドに阿信の個性が強く表れているとも言えるでしょう。
何はともあれ、これからの阿信の活動にも大いに期待したいですね。
それでは、今回はこの辺で。
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