さて、前回は日本語で聞ける‼【五月天(Mayday)】のお勧め曲特集をお届けしましたが、今回はいよいよ五月天のオリジナルバージョンのおすすめ曲をご紹介したいと思います‼
中国語だからといって、難しく考える必要はありません。ぜひ【五月天】の珠玉の名曲たちに身を委ねて、先入観を捨てリラックスして楽しんでみてください。
きっと五月天の魅力に気づけるはずです。
如果我們不曾相遇
※日本語字幕有
まず一曲目は「如果我們不曾相遇(もしも出会わなければ)」です。
この曲はアルバム『自伝(History of Tomorrow)』の一曲目を飾っています。まるで東京ラブストーリーならぬ、台北ラブストーリーのような歌詞が印象的で、とてもキャッチーな曲です。
特に注目したいのは、曲や歌詞の良さだけでなく、台北の街並みをふんだんに使ったミュージックビデオの物語性です。2人の男女が一つのイヤホンを分け合い、同じ音楽を聴くところから物語は始まります。そこから一緒に年月を過ごす様子が描かれていますが、24歳を境に状況は一変します。
推測ですが、歌詞の中で「我30歳、他24歳」となっていることから、『彼』は亡くなってしまったのではないでしょうか。それ以降は彼女だけが歳を重ね、一人で75歳になった時、出会った時の歌を聴いている彼女のそばに彼が現れ、再会を果たします。
もしあの日、あの時に僕らが出会わなければ、この曲は生まれなかった。あのイヤホンから流れているのは、まさにこの曲なんだろうなと感じました。
入陣曲
※日本語字幕有
続いて紹介するのは「入陣曲(出陣の歌)」です。
この曲の最大の魅力は、サビでのシンコペーションが効いたリズムのかっこよさにあります。作曲時にヴィジュアル系の曲を聴いていたのではないかと感じるほど、リズムが「食って、食って、食いまくる」印象的なビートで、まるでLUNA SEAの「ROSIER」を彷彿とさせ、思わずニヤリとしてしまいます。
ミュージックビデオの内容は明確ではありませんが、台湾の歴史的背景を描いているのではないかと推測しています。戦いに向かう自分を奮い立たせる、力強く熱い一曲です。
乾杯
※日本語字幕有
続いてご紹介するのは『乾杯』です。
日本で「乾杯」と言えば長渕剛さんの曲が有名ですが、中華圏で「乾杯」と言えば、まさにこの五月天の曲を指します。ライブでこの曲が演奏されると、五迷(五月天のファンの愛称)はお互いに乾杯を交わし合います。実際にドリンクを手にする人もいれば、形だけの人もいて、その光景はとても一体感に溢れています。
ミュージックビデオは、ある男性の生涯を生から死まで振り返る内容で、最後には自分の人生を共に歩んでくれた人々へ感謝を込めて乾杯し、静かに旅立つシーンで締めくくられます。
台湾にもお盆に似た風習があるのは有名ですが、歌詞の中には、「亡くなったあなたが帰ってくるのを皆が待っている。乾杯して迎えよう」といった温かい想いが込められているようにも感じられます。
「時間が止まり、みんなが帰ってきた。懐かしい顔ぶれ。君が来るのを待っている。」そんな優しいメッセージが胸に響く一曲です。
洗衣機
※日本語字幕有
一見すると「洗濯機の歌?家電の歌?コミカルな曲?」と思ってしまうかもしれませんが、ぜひ騙されたと思って最後まで聴いてみてほしい曲です。
実はこの曲、台湾では「母の日の歌」として広く認識されています。見た目やタイトルからは想像できないほど、感動的で涙を誘う内容なんです。
私のFacebookの台湾の友人たちも、母の日になるとこの曲をシェアしていて、とても大切にされていることが伝わってきます。聴くと自然と実家に帰って母親に会いたくなる、そんな温かい気持ちにさせてくれる一曲です。
轉眼
※日本語字幕無
この曲「轉眼(あっという間)」は、五月天の人生観や時間の儚さを深く感じさせる名曲ですね。
歌詞は日本語字幕がないため少しハードルが高いかもしれませんが、ぜひ日本語訳を探してじっくり味わってほしいです。
人の人生があっという間に過ぎ去り、最終章に向かう様子や、若き日の思い出、大切な人との時間が回想されます。
そして最後には、「死なない方法」ではなく「思い出を忘れない秘法」を願う…という深いメッセージが胸に響きます。
五月天のツアータイトル『LiFE』が示す通り、人生をテーマにした曲作りを多く続けてきた彼らの中でも、特に人生の儚さや美しさを色濃く表現した珠玉の一曲と言えるでしょう。
まだまだ名曲が沢山ありますがそれは次回に
さて、今回の特集はいかがでしたでしょうか?
私はまだ彼らのファンになって日が浅いのですが、これまでに2度、日本での公演を観に行く機会がありました。
その中でも特に印象に残っているのが、2018年の日本武道館公演で、『轉眼』のMVをバックに五月天が演奏していたシーンです。あまりにも胸に刺さる曲で、思わず涙が溢れ、まるで音楽による“暴力”を受けているかのような感覚を覚えました。しかもその曲が日本語ではなく中国語で歌われていることに、より一層衝撃を受け、その場からしばらく動けなかったのを今でも鮮明に覚えています。
「音楽に国境はない」とよく言われますし、私もそう信じていますが、実際には決して簡単なことではありません。しかし五月天は、その音楽で国境を越えることができる数少ないアーティストの一つです。これからも多くの国境や言葉の壁を音楽で乗り越え、届け続けてくれると信じています。
それでは、今回はこの辺で。
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