本日は台湾の絵本作家・幾米(ジミー・リャオ)のベストセラー絵本『星空 Starry Starry Night』を、トム・リン監督が映画化した作品『星空』をご紹介します。
この映画は2011年に台湾で公開された作品ですが、なんと日本での劇場公開はその6年後の2017年。というのも、版権の所在が一時不明となり、日本公開が大幅に遅れてしまったそうです。
原作の持つファンタジックで繊細な世界観が、映像の中で美しく表現された本作。ジミー・リャオの絵の魅力が、そのまま映像として生まれ変わったかのような、幻想的な青春ファンタジー映画です。
主人公の少年少女のやりとりは、どこか幼くて純粋で、とても可愛らしく描かれており、その素直な感情のやりとりが胸に響きます。
また、人気バンド五月天(Mayday)のギタリスト・石頭(本名:石錦航)も教師役として出演しており、ファンにとっては見逃せないポイントです。石頭は五月天の中でも“演技派”として知られており、以前ご紹介した映画『百日告別』では主演も務めています。
それでは、そんな『星空』の魅力をさらに深掘りしていきましょう!
キャスト
キャスト
徐嬌(シュー・チャオ)
林暉閔(リン・フイミン)
劉若英(レネ・リウ)
庾澄慶(ハーレム・ユー)
曾江(ケネス・ツァン)
蔡淑臻(ジャネル・ツァイ)
石錦航(シー・チンハン)
桂綸鎂(グイ・ルンメイ)
あらすじ
彼女は素敵な美術品に囲まれ暮らしていた。
だけど、美術商の両親は出張がちで離婚も秒読み。優しかった彫刻家のお祖父ちゃんも死に、遂に居場所がなくなった。
そんな時、スケッチブックを抱え街を彷徨う不思議な転校生に出逢った。
子供と大人の世界の真ん中、心に傷を負った二人は旅に出る。
あの寂しくて眩しい星空を見るために――。
※Amazonより抜粋
主題歌は五月天(Mayday)【星空】
本作の主題歌は、出演者でもある五月天(Mayday)のギタリスト・石頭が所属する五月天が担当しています。
映画の世界観に寄り添うようにして制作された楽曲で、歌詞の内容も物語にぴったり寄り添った、やさしく温かな作品に仕上がっています。
さらに、MVには映画で主演を務めた林暉閔(リン・フイミン)が出演しており、映画の余韻をそのまま音楽としても感じられるのが嬉しいポイントです。
映画とあわせてぜひチェックしていただきたい一曲です。
感想
私は原作である幾米(ジミー・リャオ)の絵本『星空 Starry Starry Night』を読んだことがあるのですが、この映画ではジミー・リャオの世界観が巧みに映像に反映されていると感じました。
映画の中で突然ファンタジー要素が現れるため、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、幼い二人の旅をより鮮やかに印象付けているため、個人的には好感が持てました。
作中に登場するゴッホの『星月夜(The Starry Night)』のパズルは、一つだけピースが欠けているのですが、これは離散間近の家族の状況や、居心地の悪さ、そして寂しさを表現しているように思えました。
幼い少年少女の旅は、結末が分かっていても美しく儚いものであり、短い時間でも二人にとってかけがえのないものだったのでしょう。
大人や青年期の恋愛とは違う、ピュアで恋愛未満の少年少女の物語は、見ていてほっこりと温かい気持ちになれます。同じような傷を持つ二人だからこそ分かり合え、一緒に旅に出ることができたのだと思います。
皆さまも童心に帰るつもりでこの映画をご覧ください。きっと失くしたものや忘れていたものを思い出せるはずです。それでは今回はこの辺で。
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