私は海外旅行に行く際、現地の人気アーティストを事前に調べてから訪れるのが好きなのですが、実際に現地のマーケットでCDを手に取ってハマったのは、唯一台湾だけでした。
皆さんは台湾のショップなどで、日常的に日本の音楽が流れているのをご存じでしょうか?現地の方が普段買い物するようなお店でも、『ゆず』や『ミスチル』が流れていて、とても驚いたのを今でも覚えています。現地で知り合った台湾人の方にお話を伺うと、「ワンオク」が一番好きな日本の音楽だと教えてくれました。
台湾で日本の音楽が人気なのは理解できるのですが、逆に日本で台湾の音楽を耳にする機会はほとんどないのではないでしょうか。
台湾は日本人にとって大変人気のある国です。観光だけでなく、音楽面でも台湾の魅力を知れば、もっと訪台が楽しみになるはずですし、何より台湾の音楽は日本人の好みに合う曲が多いと思います。
日本で台湾の音楽があまり聴かれていないのは、とても勿体ないことだとずっと感じています。過去にも同じような内容のブログを書いたことがありますが、2021年版として、最近私が好きな台湾音楽をご紹介したいと思います。
五月天/Mayday
私のブログでも何度もご紹介しているのですが、やはり五月天(Mayday)は台湾の音楽を語る上で絶対に外せない存在です。
なぜなら五月天が結成された1997年当時、台湾や中華圏ではまだバンドという文化が浸透していませんでした。1999年にデビューすると、あっという間に台湾をはじめ中華圏のトップアーティストとなった五月天は、まさに中華圏のバンド文化のパイオニア的存在と言えます。
もしこの記事を読んでいるあなたが台湾の音楽に初めて触れる方なら、まずは五月天の音楽を聴いてみてください。五月天の音楽が心に響くようなら、他の台湾アーティストの曲もきっと気に入るはずです。
音楽性は日本のバンドで例えるとミスチルと言われることが多いですが、個人的にはGLAYが近いと感じています。実際に両バンドは仲が良く、お互いのライブにゲスト出演したり、五月天の曲にTERUさんがコーラスで参加したこともあります。
蕭秉治(ティンティン)
もともとMP魔幻力量(Magic Power)のボーカルだった蕭秉治。
入れ墨が多いため見た目はかなりイカツイ印象ですが、その歌声はとても優しく、バラードからロックまで幅広いジャンルの曲を聴かせてくれます。ピアノの演奏も得意で、ライブやミュージックビデオでピアノ弾き語りを披露している姿もよく見かけます。
蕭秉治の曲をいくつか聴いていただければ分かると思いますが、日本のJ-popに影響を受けているのではないかと思うほど、日本人の耳に馴染みやすい音楽です。
実際に日本のアーティストから影響を受けているかは分かりませんが、万人にオススメしたい台湾のアーティストの一人です。
鼓鼓 呂思緯(グーグー)
鼓鼓(呂思緯)も元々はMP魔幻力量(Magic Power)のメンバーで、バンドではDJを担当していました。
MP魔幻力量の中でもひときわ目立つ存在だった鼓鼓ですが、ソロ活動に入ってからその魅力が一気に開花したと言えるでしょう。
歌唱力はもちろんのこと、楽器演奏やダンスでも非常にレベルの高いパフォーマンスを披露しています。また、台湾のバラエティ番組にも度々出演しており、まさにマルチな才能の持ち主です。
日本との関わりでは、ミュージックビデオの撮影を東京・渋谷で行ったり、日本の男性3人組ダンス&ボーカルグループ『Lead』とのコラボ曲を発表するなど、積極的に交流を深めています。
家家(ジャージャー)
新人ではないですが、私が今一番よく聴いている台湾の女性歌手は間違いなく家家(ジャージャー)です。
家家は台湾の原住民族出身で、時に優しく、時に激しい歌声で多くの人を魅了する人気歌手です。
そして彼女を世に送り出すきっかけとなったのは、五月天(Mayday)の阿信でした。阿信には音楽的な才能だけでなく、先見の明もあることがうかがえます。
家家の曲の中で特におすすめしたいのが『家家酒』という曲です。日本語では「オママゴト」を意味しますが、この曲のアレンジはとてもJ-popらしく、とても聴きやすい仕上がりです。
なぜこんなにもJ-popの香りがするのか不思議に思っていたのですが、この曲のプロデュースが東京事変の亀田誠治さんだと知り、納得しました。
蔡依林(ジョリン・ツァイ)
台湾のベテラン女性歌手、蔡依林(ジョリン・ツァイ)。
パワフルなダンスパフォーマンスと圧倒的な歌唱力で、台湾のグラミー賞とも言われる『金曲奨』を何度も受賞しています。
日本との関わりでは、何と言っても安室奈美恵さんとのコラボ曲が有名で、台湾の安室奈美恵とも呼ばれています。
私が一番おすすめしたい曲は『玫瑰少年』です。
この曲の作詞は蔡依林と五月天(Mayday)の阿信の合作で、2000年に台湾で実際に起きた『葉永鋕事件』をもとに、LGBTや多様性をテーマにしています。曲は「いつも君は君らしくいてほしい」と歌いかける内容で、その思いはMVにも表れており、男女問わず様々な国のダンサーが出演しています。
また、この曲は2019年の『金曲奨』にて楽曲賞を受賞しました。
八三夭(831/バーサンヤオ)
最後にご紹介するのは、八三夭(831/バーサンヤオ)です。
バンド名の由来は「夏休みの終わり」を意味するとともに、結成日が8月31日だったことに由来しています。
五月天の後輩的なポジションにある八三夭は、ポップでノリの良いパーティーチューンを多く持つのが特徴です。CDで聴くのも良いですが、ぜひライブでその熱気を体感してみたい台湾のバンドです。
日本とのつながりとしては、横浜でMVを撮影したほか、2019年にはSUMMER SONICに出演し、ステージを大いに盛り上げました。
縦ノリの曲だけでなく、美しいバラードも聴かせる八三夭。今後の活躍にも大いに期待しています!
五月天だけじゃない台湾音楽の魅力
さて、今回の台湾音楽紹介はいかがでしたでしょうか?
かなり個人的な趣味や嗜好が入っているため、偏りもある内容になってしまいましたが、台湾音楽を聴くきっかけのひとつになれば嬉しいです。
台湾音楽シーンのトップを走り続ける五月天はもちろんのこと、その他にも才能あふれるおすすめアーティストがたくさんいることを改めて実感しました。
もちろん今回ご紹介しきれなかったアーティストも多くいますが、もっと深く知ることができた際には、また同じテーマでブログを書かせていただきたいと思います。
また皆さまの中でおすすめの台湾アーティストがいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
それでは今回はこの辺で。
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