台湾・苗栗県の三義にある「舊山線鐵道自行車(レールバイク)」は、旧鉄道の線路を利用してペダルで走るユニークなアクティビティ。美しい山間の景色を眺めながら、トンネルをくぐり抜けたり、歴史ある駅舎跡を通過したりと、ここでしか味わえない特別な体験ができます。
しかも2025年8月からは、搭乗日の90日前から予約ができるようになり、旅行の計画も立てやすくなりました!
この記事では、実際に乗ってみた感想を交えながら、レールバイクの予約方法・アクセス・所要時間・ルートの見どころなどを詳しく紹介します。
「普通の観光地はもう飽きた…」「ちょっと変わった台湾旅行がしたい」という方に、ぜひおすすめしたいスポットです。
↑実際【舊山線鐵道自行】に乗車した時の様子はこちら
3つのルートから選ぼう

舊山線鐵道自行車は、ルートによって景色・発着場所・料金・乗車時間が少しずつ異なります。
予約時に自分が選ぶコースをしっかり確認しましょう。
また急な変更などもあり得るので必ず公式ホームページのチェックもお願いいたします。
🔵 Aルート|勝興駅〜南斷橋秘境(魚藤坪鐵橋経由・往復)
- 所要時間:70〜80分(ガイド解説あり/自由参加)
- 料金:
・通常:NT$285/人
・幼児(3歳以上・身長95cm以上・7歳未満):NT$230
・障がい者割引:NT$190(同伴者は割引対象外) - 取票場所:勝興站のチケットカウンター
- 集合時間:出発30分前までに取票が必要
🕒 時刻表:
便名 | 最終取票 | 発車時刻 | 戻り時刻 |
---|---|---|---|
A1 | 09:00 | 09:20 | 10:30 |
A2 | 11:00 | 11:20 | 12:30 |
A3 | 13:30 | 13:50 | 15:00 |
A4 | 15:30 | 15:50 | 17:00 |
A5 | 17:10 | 17:30 | 18:40 |
🔴 Bルート|龍騰站 → 勝興駅(魚藤坪鐵橋は通らない)
- 所要時間:70〜80分(ガイド解説あり/自由参加)
- 料金:
・通常:NT$230/人
・幼児:NT$185
・障がい者割引:NT$190 - 取票場所:龍騰站のチケットカウンター
- 集合時間:出発30分前までに取票が必要
🕒 時刻表:
便名 | 最終取票 | 発車時刻 | 戻り時刻 |
---|---|---|---|
B1 | 09:10 | 09:30 | 10:50 |
B2 | 11:10 | 11:30 | 12:50 |
B3 | 13:40 | 14:00 | 15:20 |
B4 | 15:40 | 16:00 | 17:20 |
🟢 Cルート|龍騰站〜6號隧道(魚藤坪鐵橋経由)
- 所要時間:70〜80分(ガイド解説あり/自由参加)
- 料金:
・通常:NT$285/人
・幼児:NT$230
・障がい者割引:NT$190 - 取票場所:龍騰站のチケットカウンター
- 集合時間:出発30分前までに取票が必要
🕒 時刻表:
便名 | 最終取票 | 発車時刻 | 戻り時刻 |
---|---|---|---|
C1 | 08:50 | 09:10 | 10:30 |
C2 | 10:50 | 11:10 | 12:30 |
C3 | 13:20 | 13:40 | 15:00 |
C4 | 15:20 | 15:40 | 17:00 |
C5 | 17:10 | 17:30 | 18:50 |
💡 チケット購入&取票の注意点:
- チケットは乗車の30分前までに必ず現地カウンターで受け取る必要があります。
- 幼児料金や障がい者割引を利用する場合、身分証明書やパスポートの提示が必要です。
- 2025年8月1日以降は、乗車日の90日前から予約可能!
(例:10月30日乗車分は、8月1日から予約OK)
チケット予約について

チケットの予約は公式ホームページから簡単にできます。サイトは日本語にも対応しているので、初めての方でも迷わずスムーズに予約できるのが嬉しいポイントです。
旅行の計画を立てる際は、ぜひ公式HPで最新の空き状況や詳細をチェックしてみてくださいね。
ちなみに私はCコースのチケットを宿泊した宿のオーナーさんに予約を手伝ってもらい、予約後にQRコードをLINEで送ってもらいました。当日はそのQRコードをチケットカウンターのスタッフに提示してスムーズに乗車できました。
現地で宿泊先のサポートを利用すると、中国語や予約サイトの操作に不安がある方でも安心して楽しめるのでおすすめです。

発車駅までのアクセスについて

私は宿で一緒になった男の子と一緒に行動していたため、車で龍騰站(魚藤坪鐵橋経由)まで送っていただき、帰りも同様に送ってもらいました。こうした状況があれば問題ありませんが、日帰りの場合や送迎手段がない場合は、三義駅からタクシーを利用する必要があります。
ただし、三義駅前にタクシーが常駐しているとは限らないので、事前に配車アプリを使えるように準備しておくのが便利です。帰りもタクシーの利用がおすすめで、行きのタクシー運転手さんに連絡先を聞いておき、帰りに連絡して迎えに来てもらう方法や、チケットカウンターのスタッフに配車をお願いする方法もあります。
いずれにせよ、発車駅は山奥に位置しているため、徒歩やレンタルサイクルでのアクセスはあまり現実的ではありません。初めから除外して計画したほうが安心です。
↑勝興站乗り場地図(Aコース乗り場)
↑龍騰站乗り場地図(B、Cコース乗り場)
舊山線の歴史について

舊山線(旧山線)は、台湾鉄路管理局(台鉄)が運営していた伝統的な鉄道路線です。1998年に完成した「台中線(山線)複線化プロジェクト」(通称「新山線」)により、三義〜后里〜豊原間の旧線は廃止されました。この区間は台鉄西部幹線の中でも標高が最も高い勝興駅を含み、美しい山間の景色が特徴です。
廃止後、多くの議論を経て2010年6月に観光列車として運行が再開されましたが、2015年以降は定期旅客列車は運行されていません。
そして2018年7月、勝興駅から六号トンネル付近までの約6km区間で、レールバイク(軌道自転車)の試験営業がスタートしました。当初は苗栗県民限定のサービスでしたが、8月9日には一般向けにチケット販売が解禁され、2019年7月1日に正式営業が開始されました。
現在では、舊山線の美しい風景の中を自転車で走るこのレールバイクが、台湾旅行の新たな人気アクティビティとして注目を集めています。
舊山線最大の見どころ龍騰断橋

龍騰断橋は、台湾・苗栗県三義郷龍騰村にある歴史的な鉄道橋の遺構で、かつては「魚藤坪断橋」とも呼ばれていました。1908年に台湾総督府鉄道が縦貫線(後の台中線)全線開通に合わせて建設したレンガ製のアーチ橋です。
しかし、1935年の新竹・台中地震で大きく破損し断橋となりました。その後も1999年の921大地震でさらに一部が崩壊しています。現在は、橋の一部が残る廃橋として、三義郷を代表する観光名所の一つとなっています。
龍騰断橋の中央には、アメリカのアメリカン・ブリッジ社製の鋼材を用いたトラス橋(ボルチモアトラス橋)が架かっており、全長は約165メートル。橋脚は煉瓦アーチ橋で構成されており、歴史的な建築技術の美しさを今に伝えています。
また、橋の名前はこの一帯に自生していた毒性のある植物「魚藤(高砂族が名付け)」に由来し、戦後に地域名が「龍騰」と改称されました。
現在の縦貫線は西側に新しい魚藤坪鉄橋が架けられ、1938年に復旧されていますが、龍騰断橋は旧山線の象徴的な遺構として、多くの観光客が訪れるスポットです。
↑龍騰断橋を訪れた際の動画はこちら
実際に乗ってみて

私が体験したのは、龍騰站発のCコース(魚藤坪鉄橋経由)です。宿で同室になった男の子と一緒に行動し、車で龍騰站まで送ってもらい、帰りも同じく送ってもらいました。
乗り場は山奥にあり、最初は少し不安もありましたが、レールバイクに乗り込むとすぐにワクワク感が高まりました。ペダルをこいで線路の上を進むのは、普段のサイクリングとはまったく違う特別な感覚。周囲には緑豊かな山々と、ところどころに見える歴史的な橋梁やトンネルが次々と現れ、まるでタイムスリップしたような気分になります。
特に、龍騰断橋の壮大な遺構を間近に見られるのはこのコースの最大の魅力。トンネルを抜けるときのひんやりとした空気も心地よく、風を感じながらのんびり走る時間は本当に贅沢でした。
また、中国語のみなのですが途中で停車した際にはガイドさんが色々と説明をしてくれます。
なお、レールバイクの運転者は1人で、携帯電話やカメラを持っての撮影はできません。運転に集中する必要があるため、撮影をしたい方は前列の左側の席には座らないようにしましょう。
台湾旅行での特別な思い出として、皆様にも是非体験してほしいアクティビティです。
自然も歴史も楽しめる特別な体験!

台湾を何度も旅してきた私にとっても、この舊山線レールバイクの体験はちょっと特別でした。
古い鉄道遺構の中を、のんびりと風を感じながら進んでいく時間。観光地を巡るだけでは出会えない、台湾の「静かな美しさ」や「歴史の重み」が、この短い旅路の中にぎゅっと詰まっているんです。
正直、アクセスは少し不便ですし、予約や当日の段取りにも少し準備が必要。でも、それを超えて余りある「体験としての価値」がここにはあります。
大きな観光名所ではないけれど、人とは違う旅の記憶を残したい方には本当におすすめです。台湾の山あいで、100年以上前の鉄路の上を、あなたもゆっくり走ってみてはいかがでしょうか。
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Chan Kei Profile

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